第8回 千葉地区地域対話
 2011年2月8日(火)、第8回千葉地区地域対話がサンプラザ市原で開催され、自治会・市民団体から37名、行政から22名を含む、総計169名が参加しました。今回の地域対話は「環境保全協定と千葉県の環境」をテーマとしており、千葉県が今年4月「公害防止協定」の改定を行い「環境保全協定」へと名称を変更したことを機に、住民の方々に千葉県の環境の変遷と、行政・企業の環境への取り組みを理解していただくことを目的としています。環境保全協定は、東京湾臨海地域に立地する48社57工場を対象としており、企業・県・地元市で締結しております。
 最初に、電気化学工業(株)千葉工場の工場見学を行い、バスの中より場内の設備について順次紹介しました。降車して、工場排水が海へ放流されている現場を見学した際には、無色、無臭の綺麗な排水が放流され、海草や多くの魚がいる様子を見ることができました。参加者は海を覗き込んだり質問したりと関心を寄せており、工場の徹底した排水管理を知る良い機会となりました。また、工場見学参加者全員で記念撮影を行い、会員企業より記念品として写真を贈呈しました。 場を移しての地域対話では、市原市長よりご挨拶をいただいた後、県環境生活部環境政策課より「環境保全協定と千葉県の環境」と題し、環境保全協定へと名称変更した背景やその理念、協定の構成・内容について丁寧に説明していただきました。基準値は、国の法律や条例よりも更に厳しく設定されており、ばいじん排出濃度値では、0.15g /m3(法律)、0.05g /m3(協定)であること等が示されました。
 企業発表では、チッソ石油化学(株)五井製造所が「ボイラー燃料転換と環境保全活動」について、五井コストエナジー(株)(日立製作所、チッソ石油化学、イーレックスの合弁)を設立し、競争力のある発電設備を建設したこと、重油使用からLNGへの切替えで大気汚染防止に努めていることを紹介しました。旭硝子(株)千葉工場は「環境保全活動の取り組み」で、回収フロン類の破壊とそのリサイクル方法を中心に説明しました。回収したフロンは精製を行った後フッ素樹脂の原料にリサイクルしており、2009年度のリサイクル実績は685トン、CO換算では174万トンの削減に貢献しています。
 パネルディスカッションでは企業OBの方を司会に迎え、3名の自治会長を含む8名がパネリストとして「コンビナート企業の環境保全活動」をテーマに討論を行いました。自治会長からは、企業の環境への取り組みについてよく理解できた、以前に比べ大いに改善されており感謝している、と評価をいただいた一方で、騒音、悪臭、老朽化した設備等は不安要素であるという意見が出、企業からそれらの対策について説明を行いました。また、会場からは「定期修理で発生するフレアスタックの炎は一見火災ではないかと不安に感じることもあるので、事前の広報をしっかりしていただきたい」といった要望も聞かれました。企業からは、「きちんと事前連絡がなされているものの、その範囲は限られているため、広報活動については行政と一緒に検討していきたい」と回答しました。
 今回の地域対話には次世代を担う大学生が10名参加しており、意見交換会場では、企業関係者や住民の方に混じり、企業活動について情報を収集したり意見交換したりしている様子が見られました。