地球は、大気圏をとりまくCO2(二酸化炭素)やメタンなどの「温室効果ガス」により、人間や動植物にとって暮らしやすい温度に保たれています。しかし、産業活動の活発化にともなう石油・石炭の消費の増大や、森林の伐採により温室効果ガスの濃度が増加し続けてバランスを崩し、地球規模で気温が上昇する「地球温暖化」が進行しているといわれています。このまま温暖化が進むと、100年後には砂漠化や海面の上昇、生態系の変化など、さまざまなところに深刻な影響が現れると考えられます。
■化学業界では
こうした状況に対応するため、化学業界では、1997年度から「経団連環境自主行動計画」に参画し、省エネルギーを推進し、CO2排出を抑制する活動を継続しています。
2010年度までに、化学業界全体のエネルギー原単位を1990年度の90%することを目標に活動を開始しました。(原単位とは製造に要したエネルギー使用量を生産数量で割ったもので、この数値が低いほど効率がよく生産していることになり、環境への負荷も少ないといえます)
その後、2006年度の実績が90を大幅に上回り82%となったことを踏まえ、更なる省エネルギー活動を推進するため、2007年度より目標を改定しました。
目標:2008〜2012年度の平均として、エネルギー原単位を1990年度比で80%にするよう努力する。(但し、今後エネルギー原単位悪化要因が顕在化した場合には、87%程度になり得る)
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■主な省エネルギー対策
(1)機器の性能改善、高効率設備の設置などによる設備・機器効率の改善
(2)プロセスの合理化、製法の転換などによるプロセス改造
(3)排出温冷熱利用などによるエネルギーの回収
(4)運転方法の改善
上記4つの効果のあった対策についての情報の共有化を更に進め、各社における省エネ設備への投資と技術開発を継続し、目標達成に向けて努力してまいります。
■他の温室効果ガスの排出量の削減
化学業界ではCO2の排出量削減のほかに、温室効果ガスである代替フロンガスのPFC(パーフルオロカーボン:半導体産業の洗浄用途) 、SF6(6フッ化硫黄:電気絶縁ガス等の用途)の排出削減にも取り組み大きな成果をあげています。
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■その他の温暖化対策への取り組み事例
●化学製品の貢献(LCA的観点からの定量評価)
ICCA(国際化学工業協会協議会)は、このたび世界の温暖化ガス排出量に化学産業が及ぼす影響について公表しました。原料調達から製品廃棄までのCO2排出量をライフサイクルアナリシス(LCA)で算定したものです。ICCAがマッキンゼーに研究を委託し、運輸、建材、包装など8分野の102製品についての2005年度のデータを化学各社が提出、独研究機関のエコ・インスティテユートから第三者検証を受けました。更にマッキンゼーが化学製品全体に拡大し、化学製品に関与する排出状況について定量的に検討し、その結果、化学産業の原料採掘、生産、廃棄などのCO2排出量1単位に対して、断熱材や照明、太陽光や風力発電などへの使用により、間接的に2〜3単位の排出削減に貢献することが判明しました。更に今後、CO2削減に貢献する製品の普及を政策的に導入することにより、更なるCO2削減が達成される可能性が見出せました。
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●国内における化学製品のライフサイクル評価 carbon-Life Cycle Analysis(c-LCA)
CO2排出削減対策は、各国各地域によりその対策は異なり、日本における対策指針を立案する上には、日本の具体的な状況を把握し、その中で最も効率の良い施策を優先的に立案し推進する必要があります。日本化学工業協会では、2020年を評価対象年として、対象年1年間に製造された製品をライフエンドまで使用した時のCO2排出削減貢献量を算定しました。算定対象として、再生可能エネルギー、軽量化による燃費向上、省エネの分野の8事例を取り上げ分析しました。算定結果については、日本における施策立案の参考となることを期待し、2011年7月、「温室効果ガス削減に向けた新たな視点」と題する報告書に取りまとめて発行しました。分析の結果、化学製品は原料〜製造〜廃棄までのCO2排出量が約475万トンであることに対して、完成品ベースで約1.1億トンの削減に貢献するキーマテリアルであることがわかりました(なお、排出削減貢献量には、化学製品だけでなく他の原料、部材関連の製品分も含まれますが、現時点で他製品分を定量化する手段を持ち合わせていないため、排出削減貢献量を構成製品毎に配分することは行っていません)。
この結果から、グローバルな課題であるCO2排出削減を推進するためには、製造時におけるCO2排出削減といった部分最適の議論ではなく、製品のライフサイクルを十分に理解したうえで、全体最適の視点からの対策が重要であるといえます。今後、化学産業は、製造時の排出削減にとどまらず、ライフサイクル全体における化学技術・製品の活用による削減貢献を目指し、社会全体のCO2排出削減を推進するものです。
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