■RCニュース概要
■ニュース春季号 No61
第20回 日化協総会
第5回 RC賞の表彰式が行われました
from Members
RCの現場を訪ねて:電気化学工業(株)千葉工場
RCの現場を訪ねて:日本ゼオン(株)川崎工場
平成23年度上期会員交流会
東日本大震災への日化協の対応
化学人材育成プログラムの紹介
個別対話「環境保全連絡協議会」
第12 回APRCC開催案内
JRCCだより

 
日本ゼオン株式会社 川崎工場
●事業場概要
工場全景
 
 川崎工場は、1959年に特殊合成ゴム「アクリロニトリルブタジエンゴム」の工業化に国内で初めて成功した歴史ある工場です。操業開始以来50年を超え、現在も合成ゴム、合成ラテックスの基幹事業所として、操業を継続しています。当工場で生産される製品は、自動車を中心として国内外のさまざまな分野のお客様にお使いいただいており、私達の身の周りの様々な用途に使用されています。
 当工場は政令指定都市である川崎市にあり、大気、水質等、厳しい環境規制の中、技術開発を継続的に進め、着実に環境負荷を低減してきました。また、地域との共生はもちろん、社会に開かれた工場として多くの方の工場見学を積極的に受け入れる等、レスポンシブル・ケア活動を継続的に進め、首都圏に立地する工場としての責務を果たす活動を日々行っています。
●レスポンシブル・ケア活動
 日本ゼオンのレスポンシブル・ケア行動指針は、 1)環境・安全の優先、 2)化学製品の最新情報の収集・提供、 3)有害化学物質・廃棄物排出の極小化、 4)省資源・省エネルギー活動の推進、 5)環境・安全を配慮した新プロセス・新製品開発、品質保証、 6)社会との共生、 7)継続的改善の7 項目からなっています。
 有害化学物質排出量については、当工場において製品の主原料であるブタジエンを触媒燃焼装置の導入および運転条件他の改善で、同じく主原料であるアクリロニトリルを回収設備の導入と稼働率の向上により削減を進めてきました。
 産業廃棄物については、分別と再資源化(リサイクルと熱回収)を工場一丸となって進めた結果、2010年度の産業廃棄物埋め立て処分量を0.4トンにまで削減することができました。これは当工場における全産業廃棄物発生量の10,000分の1以下に相当します。
 省資源・省エネルギーについては、コジェネレーションシステムの高効率運転のための技術改善、効率の良い冷凍設備の導入、高効率の外部蒸気の購入、更にはエネルギー負荷の高い製品の改善により2010年度のエネルギー原単位は1990年度比78%となりました。
 日本ゼオンでは2010年度より、事業所レスポンシブル・ケア監査を全体監査と専門監査の2つに分けて実施しています。全体監査では、環境安全担当役員を監査長とする監査団が当社本体事業所を年1 回巡回し、経営的な視点でレスポンシブル・ケア活動実施状況を監査しています。一方、専門監査では、環境安全部長を監査長として、専門的視点でレスポンシブル・ケア活動実施状況を監査しています。
 各工場においては、工場長が自工場における重点課題の実施状況を診断する工場長診断を実施していますが、その中でレスポンシブル・ケア活動の実施状況も年1回以上診断しています。またISO9001およびISO14001のマニュアルに従い、QMS(品質マネジメントシステム)・EMS(環境マネジメントシステム)内部監査を実施しています。内部監査員育成のため事業所ごとに外部教育や内部教育も実施しています。
●地域とのコミュニケーション
工場前の清掃活動
 
海外からの工場見学
 工場前の通勤路の清掃活動、近隣の工場との共催による定期的な清掃を通じて美化運動を継続しています。また、学校、企業、協会等の工場見学を積極的に受け入れ、開かれた工場を目指しています。最近では、中国、台湾、タイを中心とした海外からの見学も受け入れ、当工場が生産する製品や環境安全活動を通じて、川崎工場をより深く理解していただけるように努力しています。
 2010年2月には、臨港消防署長をはじめ共同防災加盟各社の関係者の方、近隣住民をお招きし、第1種事業所総合防災訓練を実施しました。終了後の講評では、臨港消防署長、川崎市千鳥地区防災協議会会長、近隣町内会長より「機敏な行動を見て心強く思う」等のお褒めの言葉をいただきました。