■RCニュース概要
■ニュース秋季号 No63
VOICE:岩澤 康裕
化学人材育成プログラム協議会の第1回シンポジウムを開催
from Members
第35回 日化協安全賞が決定し安全シンポジウムを開催
RCの現場を訪ねて:住化スタイロン ポリカーボネート(株)
RCの現場を訪ねて:(株)ニチノーサービス
地域対話を開催:第4回 新潟北地区地域対話
リスクコミュニケーション研修
APRCCとAPRO会議・RCLG会議
2011年度の地域対話
RC報告書の発行及び報告会について
日化協との完全統合に向けて
JRCCだより

 
   
 平成23年の第35回日化協安全表彰は、東日本大震災の影響で決定が9月16日となり、表彰式に先立ち安全シンポジウムが10月21日に開催されました。なお、表彰式は12月16日に日化協理事会にて執り行われる予定です。
 
安全表彰
 化学業界における自主的な保安・安全衛生の推進の一環として、日化協では昭和52年から、優れた安全活動を実施し模範となる事業所を表彰してきました。今年は11事業所(内、研究所:1)から応募があり、安全表彰会議にて審査を行い、特に優れた事業所を選定しました。その後4 月に安全表彰会議の田村議長と事務局でそれぞれの事業所を訪問して、更に詳しく具体的な活動内容等を調査する予定でしたが、東日本大震災発生により調査を6月に延期しました。その結果を基に7月開催の安全表彰会議において、安全最優秀賞、安全優秀特別賞、安全優秀賞を選定し、9月開催の日化協理事会にて正式決定しました。
安全最優秀賞 三井化学株式会社 大牟田工場
安全優秀特別賞 昭和タイタニウム株式会社
田中機工株式会社 境工場
安全優秀賞 東亞合成株式会社 坂出工場
 
安全シンポジウム
 10月21日に行われた「安全シンポジウム」は約110名の方々の参加のもと開催されました。西出日化協専務理事の開会挨拶、来賓の厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課の半田課長からご挨拶をいただいた後、受賞された各事業所長からそれぞれの事業所の安全管理活動について発表が行われました。第2部のパネルディスカッションは、例年のテーマである『トップの役割を中心として「いかにして無災害を継続するか」』に加えて、大規模震災への対応についても、各事業所長の方々の考え方、取り組み状況等を話していただきました。その概要を紹介致します。
 なお、活動事例の発表内容、及びパネルディスカッションの内容は、日化協のホームページに掲載しますので是非ご覧ください。
 
活動事例発表
三井化学株式会社 大牟田工場(植竹 工場長)
 
  • 大牟田工場は有明海に近接する工場で、1912年操業開始、主な製品はポリウレタン材料、メガネ用プラスチック、医薬、農薬等です。
  • 従業員約2,200人、無災害記録は600万時間を達成しています。
  • 工場の運営方針を定め、ISO/OHSASのマネジメントシステムのもとに年間計画を立てPDCAサイクルを回し、継続的に安全活動を展開しています。
  • 安全活動としては、工場の特徴、リスク/課題を鑑みた活動を進めており、たとえば、被液防止として不具合箇所の洗い出しと対策、被液体験装置による体験教育などを実施しています。KY活動強化計画(3カ年)を立て安全教育、研修にも注力しています。
  • 保安防災については地域社会と連携した訓練を実施し、地域と一体となった体制を構築しています。今後も継続的に、事業所が一体となって安全活動に取り組んでいきます。
 
昭和タイタニウム株式会社 (海老沼 代表取締役社長)
 
  • 昭和タイタニウムは昭和電工の関連会社であり、酸化チタン、アルミナビーズ、液体酸素、窒素を生産しています。
  • 安全活動の基本はレスポンシブル・ケアであり、「一人ひとりが安全・環境意識を高め安全・環境文化を定着しよう」のスローガンを掲げ、安全意識の高い人づくりを進めています。
  • 安全活動としては、基本ルールの徹底や指差呼称、「注意!ありがとう運動」などに取り組み、リスクアセスメントによるリスク低減を進めています。
  • 今後も、無災害継続のため日々のコミュニケーションと安全風土の醸成など安全文化の定着を進めていきます。
 
田中機工株式会社(旭化成建材株式会社)(後藤 所長補佐)
 
  • 田中機工は旭化成建材境工場の中にある関連会社でALC製造の後加工を受け持っています。主な業務はALCの切断加工、検査、補修等です。
  • 境工場の安全衛生管理組織の下に田中機工の環境安全衛生管理組織を作り安全活動に取り組み、17年間無災害を継続しています。
  • 非定常作業のKY活動、HHK提案活動、TPM活動など現場主義の活動を中心に、決められたことをきちんと守ることを基本に取り組んでいます。
  • 今後も決められたことを愚直に守り、魂を入れた活動を継続していきます。
 
東亞合成株式会社 坂出工場(森 工場長)
 
  • 坂出工場は瀬戸内海に面しており、水溶性ポリマー、アクリル系モノマー、無機化合物を中心に製造しています。1935年に操業を開始し、これまで幾多の人員削減を経験してきました。
  • 従業員数は40人程で家族的一体感があり、安全文化の源となっています。
  • 活動の特徴は場所を決めた集中的な5S、リーダーが率先して進めるKYTなどです。少人数でも職場への愛着等をもとに実りある活動の展開をめざしています。
  • 今後もゼロ災の継続に向けてコミュニケーション力の向上,安全文化の継承等に取り組んでいきます。
 
パネルディスカッション
 事例紹介に引き続き行われたパネルディスカッションでは、田村安全表彰会議議長が司会を務められ、事例発表をいただいた各事業所代表と日化協・中田常務理事をパネラーとして「いかにして無災害を継続するか」について討議していただきました。
 始めに、1.事業所トップとして安全に関し最も注力していること、2.地震、津波、台風等の自然災害への対策に対する考え方について、それぞれのお考えを述べていただき、引き続き、会場からの質問に対し安全に関するトップの思いなどについてご紹介いただきました。今年は会場からたくさんの質問をいただき、すべての質問にお答えできませんでしたが、活発な討議となりました。
 最後に、中田常務より討議全体に対する感想と日本の化学産業における安全活動等の自主的活動の重要性の話があり、最後に田村議長から閉会の挨拶と安全の重要性がますます高くなっており、さらなる安全成績の向上を期待するとのお言葉を賜りました。