■RCニュース概要
■ニュース秋季号 No63
VOICE:岩澤 康裕
化学人材育成プログラム協議会の第1回シンポジウムを開催
from Members
第35回 日化協安全賞が決定し安全シンポジウムを開催
RCの現場を訪ねて:住化スタイロン ポリカーボネート(株)
RCの現場を訪ねて:(株)ニチノーサービス
地域対話を開催:第4回 新潟北地区地域対話
リスクコミュニケーション研修
APRCCとAPRO会議・RCLG会議
2011年度の地域対話
RC報告書の発行及び報告会について
日化協との完全統合に向けて
JRCCだより

 
   
APRCC(アジア・太平洋レスポンシブル・ケア会議)
APRCC
  アジア・太平洋地区におけるレスポンシブル・ケア活動の普及推進を目的としたAPRCCが10月26日、27日の両日にインドネシアのバリ島で開催されました。APRCCは1995年に香港で始まり今年で12回目になります。2003年までは1年に一回開催されていましたが、その後は2年に一回のペースで開催されています。参加者はアジア太平洋地区に限らず北米、欧州、湾岸諸国、コロンビアから合計約130名を数え、レスポンシブル・ケア(RC)活動の広がりを実感できる会議でした。
 会議は1)IYC(世界化学年)記念講演、 2)レスポンシブル・ケア(RC)活動状況、3)GPS(グローバル製品戦略)、 4)GHS(化学品の分類と表示を世界的に統一する仕組み)、 5)化学安全・保安、6)対話のセッションに分け、熱の籠った発表や議論が行われました。日本からは2 名の発表者と1 名の座長を出し、APRCCの成功に貢献しました。
 同時に、世界化学年(IYC)を記念しIYCに関する各協会活動がパネル展示されました。日化協もブースを確保し 1)日本でのIYC活動、 2)JIPS、 3)LRI、4)人材育成、 5)夢化学?21、6)日本の化学工業についての展示を行いました。また、夢化学?21が作成した子供向けのビデオ「ふしぎの国の化学」の英語版のデモンストレーションを行いました。
 
APRO(アジア・太平洋レスポンシブル・ケア機構)会議
APRCC の開催運営を目的として設立されたAPROの会議が10月26日の夜に開催され、22時まで白熱した議論が行われました。
 今回の議題は以下の通りです。
  1. APROの組織強化
  2. APROの規約確認
  3. APRO議長の選出
  4. 次回のAPRCC の開催地の選定
  APROの組織強化はAPRCC に合わせて行われているAPRO会議の開催を増やすことから始めることが決まりました。新メンバー参加条件について議論したものの結論に至らなかったので、2012年1月末までに各協会の意見をAPRO事務局に提出することになりました。また、次回開催国の投票も各協会意見と一緒に事務局提出となりました。
 なお、議長は日本化学工業協会の吉原氏が再任されました。
 
APRCC 主催協会一覧
 
APRO 会議
 
RCLG 会議
RCLG会議
 RCLG(レスポンシブル・ケアリーダーシップグループ)会議はICCA(国際化学工業協会協議会)の下部組織であり、世界中でレスポンシブル・ケア(RC)活動を実践している協会のメンバーが年2 回春と秋に一堂に会してRC活動の推進に関して議論する場です。2011年春は定例の米国フロリダより欧州のブラッセルに変更して開催されましたが、秋はアジア・太平洋レスポンシブル・ケア会議(APRCC)の開催に合わせて10月26日、27日にインドネシアのバリ島で開催されました。今回の会議では日化協より東日本大震災の状況説明及び各国の支援へのお礼を述べました。
 会議はインドネシア工業会の会長Mr. HydayatNyakman、RCLG議長のMr. Peter Cartwrightの挨拶で始まり、参加者の自己紹介に引続き4 月にブリュッセルで行われたRCLG議事録の確認が行われました。今回の主要議題は 1) RC8原則の改訂、2)KPI(Key Performance Indicator)の項目削減、3)CP&HLG(Chemical Policy and Health Leader Group)との合併、4)プロセス安全でした。
 RC8原則は各国協会が実践するべき基本方針を示したものであり、今回、大改訂が提案されています。大きな変更点は参加条件を明確にしたこと、及び参加後5年目、10年目の達成するべき必要条件が追加されたことです。改訂案の中のRC活動が活発でない協会を除名するという表現はボランタリーなRC活動には適切ではなく、RCのロゴやタイトルの使用を制限するという代替案を日化協より出しました。議論の結果、日化協案で表現を修正することとなりました。11月末を目標に最終案を作成しICCAへ提案する予定です。
 KPIの削減項目については、APROメンバー協会の報告実績を基にして解析を行い、APROメンバー協会が報告できる項目に絞る提案を行いました。その他の協会の意見などを反映させ、1)報告義務項目、2)報告することを強く希望する項目、3)その他の項目の3種類に分けることを決定し、詳細はワーキンググループで議論し提案することになりました。
 CP&HLGとRCLGの統合は2013年末を目標として進めることが決まっています。
 プロセス安全は化学品管理(GPS)に続く重要なRC活動の柱として位置付け、活動の活発化を行っています。この活動はOECD、Cefic(欧州化学工業連盟)が中心となって活動を進めています。
 通常はアジアからのRCLGへの参加は日本以外にAICM(中国の多国籍化学企業の協会)、TRCA(台湾)ですが、今回はAPRCCに合わせて行われたのでAPROメンバー協会からの参加(オーストラリアは不参加)があり、メンバー協会から多くの意見が出されました。APROの議長協会かつ毎回参加の日化協がアジアの意見を集約し、RCLG会議で意見を述べることの重要性を痛感できる場でもありました。
 次回は2012年4月27日、28日に米国フロリダで開催されることが決まっています。