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「安全文化」をテーマにした会員交流会を開催しました。このテーマによる開催は今回で3 年目になりますが、毎回好評を得ているRC委員会・会員交流会ワーキンググループの企画です。本年度は慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の高野教授をお招きし、12 月1 日(東京:58 名参加)、12 月6 日(大阪:33 名参加)の両日に行いました。 |
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講演名 |
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安全文化の醸成に向けた戦略
-原子力の教訓に触れて-
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講演要旨 |
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1.放射能について
起きる可能性があれば、起きて欲しくないことも必ず起こり得る、今回の東日本大震災とそれに付随して起きた福島第一原子力発電所の事故もこの例の一つであるという紹介で始まり、日本社会に充満している漠然とした放射能汚染に対する恐怖感は過敏すぎるということを @食材に含まれる放射能、Aがん患者が治癒のために訪れる三朝温泉の放射線の影響、B大気中の放射線量の変遷(太平洋における核実験の影響)を例に挙げて説明されました。
2.安全文化の醸成
安全文化を8軸に分けて説明が行われました。これらは、組織統制(ガバナンス)、責任関与(コミットメント)、相互理解(コミュニケーション)、動機付け(モチベーション)、危険認識(アウエアネス)、学習伝達(ラーニング)、業務実施(ワークプラクティス)、資源配分(リソースアロケーション)であり、前4軸を「組織文化の基盤」、後4軸を「業務運営の基盤」に分類されています。特に、トップマネジメントの「組織文化の基盤」への関与が大変重要であると指摘されました。
これらの8軸の現状における問題点を指摘された後、業務の合理化、中間管理職の意識改革、チームワーク強化、部門間連携強化、モチベーション強化、パフォーマンス向上の改善について説明されました。日本においては、トップダウン型アプローチとボトムアップ型のアプローチの融合が重要であるとされています。その後、日本の化学工場で行われている改善事例を示されました。
また、多くの参加者が興味を持たれた安全文化診断についての紹介がありました。安全文化診断の結果として、日本の化学工業界は、上意下達的風土でなく協調的・意欲的風土が強い会社の安全指標が高い傾向になることが示されています。
@安全文化改善が安全パフォーマンス向上に繋がる、A安全文化診断とインタビューによりその組織の安全文化レベルと改善策の策定ができる、B「人間」サイドの改善により安全文化と組織の健全性の向上を図ることができると纏められました。
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アンケート結果 |
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今回の勉強会は“大変ためになった”(東京:76%、大阪:81%)、“ためになった”(東京:24%、大阪:19%)と両会場共に好評でした。高野教授による講演のパートII を希望されるコメントも寄せられました。
来年度もRC委員会会員のためになる勉強会を企画しますので、皆様のご参加をお待ちしています。 |
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