■RCニュース概要
■ニュース冬季号 No64
VOICE:小野 峰雄
日本RC協議会と日本化学工業協会の統合にあたって
from Members
RCの現場を訪ねて:日産化学工業(株)小野田工場
RCの現場を訪ねて:花王(株)鹿島工場
地域対話を開催:第8回 山口西地区地域対話
地域対話を開催:第8回 川崎地区地域対話
会員交流会
会員交流勉強会
大阪・東京 消費者対話集会開催
個別対話集会・地域対話補完集会
RC検証について
安全表彰の表彰式
JRCCだより

 
   
 レスポンシブル・ケア検証(RC検証)を開始してから2011年で10年が経過しました。各企業の担当者も交代していること、新たにRCに取り組まれる企業もあることから再度検証についてご紹介します。
 RC検証はJRCCの設立当初より議論され、検証委員会・検証WGでの検討を経て2002年に開始されました。ICCAの基本8原則では「検証」の実施が決められていますが、各国の協会で対応が異なっています。カナダ、アメリカでは検証受審は必須ですが、欧州では自己評価は義務付けるが第三者評価は自主的なものとしており、日本は会員の任意としています。
 
検証の内容と進め方
  • 日本では「環境・安全に関する日本化学工業協会基本方針」に基づき、レスポンシブル・ケアを実施する際の基本的実施事項を定めたレスポンシブル・ケアコード(RCコード)を制定しました。これを基準として定量的な評価を行い、結果を評価文書として受審企業に提供することを基本としています。
ISOとの違い
  • ISO審査は要求事項を満足するかどうかで、合格・不合格を判定しますが、RC検証は評価を実施し、それをベースに積極的なコンサルティングを行い、パフォーマンスを改善することを目的としており、合格・不合格は判定しないところが最も異なる点です。
検証のメリット
  • コンサルティングによりRC活動の実効性を高めること、活動内容を公開することで透明性を高め広く社会に認知されることにより企業価値の向上につながります。また検証員は化学工業に関する知識と経験を有する専門家であり、内容を理解した的確なアドバイスが可能です。
検証の種類
活動検証:7つのRCコード(マネジメントシステム、環境保全、保安防災、労働安全衛生、物流安全、化学品・製品安全、社会との対話)より任意に受審側が選び、RC活動を事前の自己評価と現場での検証員評価で5段階評価を行い対比します。意見書及び報告書としてフィードバックされます。
報告書検証:会員企業発行の報告書(CSR、RC、環境等)の記載内容の正確性、合理性に関する審査を行います。本社と事業所を訪問し書類審査に加え現場・現物を確認し、RC活動の評価を行い、結果を意見書として発行します。
  • 当初は活動検証を中心に受審する企業が多く見られましたが、RC活動と検証受審を継続するにつれ、全体として報告書検証が多くなっています。
受審企業の感想・意見
  • これまでの検証に対するご意見はJRCC NEWSで紹介し、またJRCCホームページにまとめて掲載していますので参照してください。
  • 貴重なご意見を頂戴し、検証センターでは検証の方法を改訂し、検証員研修で共有することにより検証の質向上を図っています。
検証のすすめ
  • RC検証は活動を評価して点数をつけることが目的ではなく、その結果を基にどうすれば効果的にRC活動ができるかをアドバイスし、活動の質向上を支援することが目的です。10年の検証実施の結果、検証センターには多くのノウハウや実施例が蓄積されており、今後各企業に合ったベストプラクティスがきっちり紹介できるように努めていきます。
  • RC活動が自主的な活動である限り、信頼性を確保しなければなりません。そのための手段の一つに「報告書の発行」があり、さらにRC検証を受けて意見書を掲載することでその透明性が確保できると考えます。CSR報告書として発行されるケースでは全体を報告書検証の対象にすることもできますし、その中のRC部分を対象とすることも可能です。
  • これからRC活動に注力される企業については、いきなりRC検証はハードルが高いと考えるケースもありますので、活動の進め方について検証をモデルとした説明を実施することも計画しています。
  • RC活動を継続している企業でも担当者の交代等があると、自社の立ち位置確認のために、活動検証受審は有効ではないかと考えます。
  • 検証センターとしても、RC活動のより良い支援となるよう検証内容・方法を改善していく計画です。
  
  なお、ご不明な点等ございましたら検証センター事務局までお問い合わせください。メールあるいは訪問してご説明させていただきます。(連絡先:jtakase@jcia-net.or.jp