目次
RCを知っていますか?
発行にあたって
環境・安全に関する日化協基本方針
報告書2011のトピックス
RC委員会の運営
RC委員会活動計画と実施状況
環境保全(省エネルギー・地球温暖化防止対策)
環境保全(産業廃棄物削減)
環境保全(化学物質の排出削減)
保安防災
労働安全衛生(労働災害防止に向けた取り組み)
労働安全衛生(安全表彰・シンポジウム)
物流安全
環境・保安投資
会員のマネジメントシステム
化学品・製品安全
会員の社会対話
RC委員会の活動(社会との対話)
会員交流
国際活動
RC検証
RCに期待する
JRCC協議会会員
注文書

 
 
 
 レスポンシブル・ケア活動においては、化学物質を扱うそれぞれの企業が自主的に環境・安全・健康を確保する活動を行うとともに、その活動の成果を社会に公表して対話を行うことにより、さらに理解を深める活動を行っています。RC委員会も対話ワーキンググループを組織してこれらの活動を支援し、また地域対話のコミュニケーションスキルの向上を目的として研修会を行っています。季刊誌JRCC NEWSの発行、レスポンシブル・ケア報告書(本誌)の発行および報告書報告会の開催などを通じて、活動の成果を社会に発信しています。
 
地域対話
 化学コンビナート地区やある地域範囲内の化学製品製造事業所が一緒になり、事業所周辺の住民や環境NPOを主な対象とした地域対話を行っています。企業から環境保全・保安防災・労働安全衛生等についての取り組みを説明し、住民やNPOからの質問に答え、さらにその意見を活動にフィードバックすることによって企業の活動をより改善していくと同時に、住民と企業との相互理解を深めることが主な目的です。
  1996年に始まった地域対話は、現在では国内の15の地区で2年に1回行っており、2010年度は鹿島、千葉、愛知、大阪、岡山、山口東の6地区で開催しました。これらの地区では、約1年前から準備を開始し、事前アンケートで住民の関心が高いテーマを把握してプログラムに反映させる、有識者に関連する講演を依頼するなど住民の方々が参加しやすいよう工夫をしています。工場見学を含める場合も多く、自分の街にある事業所がどのような製品を作っているのかがよく分かり、また企業の活動も知ることで事業所がより身近に感じられるようになったという声も多く聞きます。また化学用語を分かり易く解説するアドバイザーの参加を依頼することもあります。
  住民の方々の理解を得るためには、できるだけ専門的な用語を避け、話の流れを分かり易くする、説明資料を見やすいものにするなど、意思疎通のための技術も必要です。RC委員会では地域対話を支2004年度から開催し、理論と演習の両面から意思疎通の技術を学べるような活動を行っています。また地域対話全15地区の代表幹事による代表幹事会を年2回開催し、実施内容の報告の他に、各地区の問題点や改善方法について情報を共有化しており、対話の質の向上につなげています。
 
  また2008年度からは個別対話支援制度を創設し、15地区以外で対話集会を実施している事業所、またはグループ事業所の活動を支援しています。2010年度は2つの事業所がこの制度を利用しました。
 
 
市民対話
 RC 委員会では、一般消費者や消費者活動NPOを対象とする対話も行っています。消費者の関心が高い身の回りの化学製品の安全性と環境への負荷をテーマに、1998年度から行っています。
 2010年度は11月19日に大阪、12月8日に東京で開催しました。大阪では、企業側から化粧品と洗剤・洗浄剤について説明し、消費者側からは廃棄蛍光灯の適正処理への取り組みが説明された後、意見交換を行いました。
 東京では、農薬、化粧品、洗剤・洗浄剤をテーマに取り上げて3社より説明し、その後製品毎に小グループに分かれて意見交換を行いました。分科会は5 人前後の少人数であったため、非常に活発な質疑・意見交換が行われました。
 先生との対話は、RC活動についての意見交換と、化学企業の実際の姿を生徒・学生に少しでも伝えていただきたいという主旨で、2007年度から開始しました。2010年度は東京都の中学・高校の先生を対象とした4 回目の対話を、都立戸山高校にて2月27日に行いました。ノーベル化学賞受賞者の業績を中心に化学の歴史について説明を行い、日化協編纂の「おもしろ化学史」を配布しました。先生方にはこのような化学の副読本となる教材は、生徒の心をつかむためにも大切であると好評でした。次世代を担う若い人材を育成する出発点であり、今後も継続していきます。
 
報告書報告会
 RC委員会は毎年、レスポンシブル・ケア報告書(本誌)の内容を説明する報告会を東京と大阪で開催し、RC活動を会員だけでなく広くマスコミや大学関係、消費者団体の方に知っていただく機会を設けています。また、本誌は関係官庁、全国図書館、大学、新聞社、NGO等にも配布しています。
 2010年度の報告会は12月7日に東京、14日に大阪で開催し、それぞれ94名、65名の参加がありました。はじめにSAICM達成のため日化協が自主活動として推進するJIPS活動についての講演が行われました。その後、2010年度のRC報告書について関連するデータも含めて説明がありました。また会員の取り組み事例報告では、人材教育、環境保全、地域とのコミュニケーションの3つのテーマで、それぞれ旭化成ケミカルズ(株)、帝人(株)、三井化学(株)から発表がありました。
 詳しい内容についてはJRCC NEWS No.60(2011年冬季号)または日化協ホームページをご覧ください。
 報告会に参加された方を対象に毎回アンケートを行い、その結果を次に生かす努力をしています。アンケート結果によると、報告会に参加してレスポンシブル・ケアへの理解が「大いに深まった」「深まった」と 85%の方が回答されており、多くの参加者に理解を深めていただくことができました。各社の事例発表については具体的で良かった、わかりやすいという評価でしたが、JIPS活動についての講演では関心が高い一方で、わかりにくいというご意見もあり、今後の課題として取り組んでいきます。