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一般社団法人 日本化学工業協会会長
藤吉 建二 |
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昨年3月11日に発生した東日本大震災から10ヶ月が経ちました。被災地では本格的な寒さが到来しています。日化協の会員企業・団体は、支援物資や義捐金の送付ほか、被災地でのボランティア活動など様々な形で支援を行ってきております。被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。
さて、震災による生産活動の停滞やタイトな電力事情、急激な円高など厳しい事業環境が続いています。こうした中にあっても、化学業界はレスポンシブル・ケア(RC)活動に積極的に取り組み、着実にその成果を挙げています。
まず、化学品管理におきましては、グローバル・プロダクト・ストラテジー(GPS)の国内での取り組みであるジャパン・イニシアティブ・オブ・プロダクト・スチュワードシップ(JIPS)の推進が本格化しています。また、人の健康や環境に及ぼす化学物質の影響に関する長期自主研究(LRI)活動も10年が経過し、委託研究で開発されたリスク評価モデルが米国環境庁(EPA)のリスク評価手法として採用されるなど、その成果は国際的にも活用されています。
地球温暖化問題では、「国内における化学製品のライフサイクル評価」レポートを発行し、再生可能エネルギー、省エネルギー、軽量化の事例で、化学製品がCO2 排出削減に大きく貢献していることを明らかにしました。
さらに、化学産業の技術力の強化のため、化学人材育成プログラムを立ち上げました。9月には、大学院博士課程のカリキュラム強化支援のため第1回のシンポジウムも開催しています。化学のPRと次世代化学者の裾野拡大も進めており、世界化学年を契機に、毎年行っている子供化学実験ショーを拡大実施したほか、エコプロダクツ2011へも出展しました。
また、国際活動におきましても、インドネシアで行われたアジア太平洋RC会議に参加したほか、シンガポール、インドネシアでのワークショップの開催など、アジア太平洋地域でのRC普及と改善に努めてまいりました。
化学産業は、食糧・水の不足問題、地球温暖化問題など世界的課題を解決し、新たな産業、社会を生み出していくことのできるマザーインダストリーです。RC活動は、その化学産業をめぐる諸課題への取り組みの根幹となり、化学産業の存立の基盤となる活動です。本報告書を通じて、私ども化学産業の取り組みについてさらにご理解を深めていただければ幸甚です。引き続き、皆様方のご支援をお願いいたします。
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2012年1月
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