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2010年度は、京都議定書の第一約束期間(2008年度より2012年度)の3年目で中間点にあたります。化学業界でも、日本経団連の環境自主行動計画の下、省エネルギー・地球温暖化の防止に向け、より一層の努力を続けてきました。その結果、生産指数が回復に向かう中、エネルギー原単位を2009年度からさらに改善することができました。また、温室効果ガスの削減においても、過去最少のCO2排出原単位指数を達成することができ、省エネルギー・地球温暖化防止に向けた削減努力の成果が如実に現れてきました。今後も、改善対策の情報共有化などを通じ、目標達成に向けた努力を継続、推進していきます。
その一方で、10月には「地球温暖化対策基本法案の閣議決定について」、11月には「COP16等に向けた産業界の提言」、12月には「COP16へ向けての緊急提言」という共同提言を行い、地球温暖化防止対策に対する化学業界の貢献、技術の重要性を訴えてきました。本来あるべき温暖化対策の実現を目指し、必要に応じて、各種方策に対する提言にも取り組んでいきます。
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日化協は2007年度より環境自主行動計画の目標を引き上げ、2008年度〜2012年度の平均エネルギー原単位を1990年度に対して80%とするよう努力しています。
景気後退の影響もあり、初年度の2008年度はエネルギー原単位指数88、2009年度は85と推移してきました。2010年度は、前年度より生産指数が8ポイント増加し、エネルギー原単位指数は83と前年度よりさらに2ポイント改善されました。
2011年3月の東日本大震災の影響など、社会情勢、経済環境の変化に対応しつつ、改善対策の情報を共有化し、目標達成に向けて、省エネルギーのための設備投資、技術開発などを継続、推進していきます。
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2010年度は前年度に比べて生産量が増加し、CO2排出原単位指数は79と前年度より3ポイント改善されました。CO2排出量は、前年度に比べて生産量が増加したことにより、前年度より3.1%増加しました。
基準年(1990年度)に比べると生産指数が23ポイント増加したにもかかわらず、CO2排出量は3.1%減少しており、会員の削減努力の成果が伺えます。
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ICCA パネルディスカッション |
メキシコのカンクンで開催された第16回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)に向けて、日化協を含めた産業界9団体は11月24日に「COP16等に向けた産業界の提言」とする共同提言を発表し、さらに12月9日には同じ産業界9団体でCOP16へ向けての緊急提言を発表しました。その結果、米国や中国など温暖化ガスの主要排出国が加わる新たな温暖化対策の枠組み「ポスト京都議定書」の早期策定を目指す「カンクン合意」が採択されました。日化協はカンクンでのCOP16の併設イベントとして12月3日に開催されたICCA(国際化学工業協会協議会)のパネルディスカッション
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会員の取り組み事例 |
CO2を削減するソイルセメント工法薬剤アロンソイル
東亞合成(株)
アロンソイルは、地下鉄、橋梁基礎等の地下構造物を作るときに使用する薬剤です。これまで地下掘削面には鋼製の矢板を敷き詰めて崩落防止をしましたが、莫大な費用が掛かるためソイルセメント工法が開発されました。ソイルセメントとは、地下掘削時に土(ソイル)とセメントと水を混合して地中に注入することで水を通さない壁を作るものです。
アロンソイルは、その高い分散性によりソイルセメントの流動性を確保し、品質を維持したままセメント量や注入量を減らすことを可能にしました。その結果、建設汚泥量を従来工法に比べて約半分に低減でき、アロンソイルを用いたECO-MW工法は、従来工法と比べて約43% のCO2が削減できると試算しています。
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太陽電池透明電極用ターゲット(ITO、AZO)
東ソー(株)
東ソーが開発した、亜鉛・アルミニウム酸化物系(以下、AZO)ターゲットおよびインジウム・スズ酸化物系(以下、ITO)ターゲットは太陽電池の透明電極として用いられ、薄膜シリコン系太陽電池セルおよびCIGS系太陽電池において、従来材料と比較して1%(絶対値)以上の変換効率の向上を実現しました。太陽電池の変換効率の向上は0.1%単位で行われているため、今回の開発により、CO2を排出しない太陽電池の性能向上に大きく貢献しました。
AZOターゲットおよびITOターゲットは、赤外波長領域までの高い光透過性、耐熱性、耐湿性が向上したことに加え、さらにAZOターゲットは表面に理想的なテクスチャー構造(凸凹)を容易に形成することを可能としたため、太陽電池内に取り込んだ太陽光を効率よく利用するための高い光閉じ込め効果も実現しています。
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